体で学ぼう!

体で学ぶ新感覚な、お勉強!

イメージするだけで脳は働き出す!想像力を使ってスポーツや芸術の上達を促そう!

イメージするだけでも脳は変わり始める

皆さんはイメージトレーニングってしたことがありますか?
「イメトレなんてやったことない。そんなもの必要ないよ。」
という考えを持っている人もたくさん居ると思うのですが、
実は、体をより良く動かそうとする時にイメージトレーニングは非常に効果的な学習方法なのです。
イメージトレーニングは運動パフォーマンスを向上させるという報告も数多くありまして、
今ではスポーツや芸術、リハビリと様々な分野で活用されています。

人は何かしらの運動をイメージするだけで、
運動を行っている時と同じ脳の領域が活動するということが明らかになっています。
不思議なことに感じると思いますが、体を動かさずにいても
手を動かす運動イメージを持てば、手を動かす時に働いている脳の領域が、
足を動かす運動イメージを持てば、足を動かす時に働く脳の領域が活性化するのです。

イメージトレーニングを用いた実験

以前、アメリカでこんな面白い実験が行われました。
まず、バスケットボール未経験者の大学生を60人集め、
フリースローのシュートの成功率が同じになるように3つのグループに分けます。
そして20日間の間、Aのグループには毎日実際にシュートの練習をさせ、
Bのグループには何もさせず、
Cのグループには、ひたすらシュートが成功したイメージトレーニングをさせました。

結果、毎日練習していたAのグループは24%もシュート率が伸びました。
練習していたのですから、当然ですよね。
そして、何もしていなかったBのグループのシュート率は全く伸びませんでした。
これも当たり前です。
驚くべきはイメージトレーニングをしていたCのグループの結果です。
なんとシュート率が23%も伸びたのです。
ボールにすら触れてい居ないCのグループは、
実際に練習していたAのグループと遜色ない結果を残したのです。

また、こんな実験もあります。
TMSという脳のマッピングを調べることができる装置を用いて行われた実験です。
まず、ピアノを習ったことのない人を4つのグループに分けます。
Aのグループは、特定の曲を学ばせ、5日間の間、毎日2時間、片手でピアノを弾かせて練習させます。
Bのグループは、Aのグループが曲を学んでいるのを観察させ、そのあと5日間、毎日2時間、
実際には弾かせずに、弾いている時の指の動きを頭の中でイメージさせ、曲を思い浮かばせました。
Cのグループは、5日間、毎日2時間、曲ではなく、でたらめに自由に弾かせました。
Dのグループには、何もさせませんでした。

結果、でたらめに弾いたCのグループと、何もしていないDのグループの運動野には
変化が見られませんでした。これは当たり前といえば当たり前ですよね。
では次に、実際に練習していたAのグループではどうだったのでしょう?
Aのグループでは指の動きに指令を送る運動野の領域に拡大が見られました。
実際にピアノを弾いていたのだから、これも当然と言えば当然ですね。
しかし、なんと実際には弾かずにイメージトレーニングを行っていたCのグループでも、
指の動きに対応する運動野が活性化したのです。
さらに驚くことに、上達の度合いに置いてもパフォーマンスの向上が見られました。

これらの例からイメージには力があるということが分かります。
また、実際の動作の練習とイメージトレーニングを併用することで
更なる技術の向上が望めます。自分の好きなことに、うまく活用していきましょう。

主観的なイメージトレーニングと客観的なイメージトレーニング

運動イメージは、主観的なイメージによるものと、
第三者的な視点からによる三人称的なイメージに分類されます。

いろいろなやり方があるのですが、まず分かりやすいのが主観的なイメージトレーニングですよね。
自分の視点から自分の動作をイメージしていくというものです。
これは大変やりやすく分かりやすいですし、効果的なのでぜひ積極的に活用してください。

また、こういった応用方法もあります。実際に動いている人を観察して、
その人の中に入り込んで、その人の視点からイメージするという方法です。
簡単に言うと、その人になってしまっている状態の視点からのイメージですね。
体操の内村選手は、こういったイメージを得意としています。
飛んだり回転している他の選手を見て、その人の視点から床や天井などの景色が
どう見えているのかが分かるという、超人的な能力を持っています。
あなたもぜひ、好きなスポーツ選手や芸術家の中に入って、
その人からの視野をイメージして、なりきってみてはいかがでしょう。

さて、続いては三人称的なイメージについてですが、
これは自分を客観的な視点から見ているイメージのことですね。
人って思っている以上に、自分の想像しているようには動けてはいないものです。
鏡やビデオで自分の動作を確認すると、頭に描いていた自分の姿のイメージとのズレに驚くことでしょう。
それを修正していくことも、また上達に繋がります。ぜひ活用してみてください。

また、この三人称的なイメージは、
サッカーやバスケットボールなどの幅広いフィールドで行われる競技で活用している選手も居ます。
自分がフィールド上のどこに居て、周りの人がどこに位置しているのかという関係性を
俯瞰した視点からイメージして把握することができます。
もしこれが出来れば、自分がどこに動けば良いか、どこにパスを出せば良いかを
客観的に見ることができます。大変便利な能力です。

イメージは経験や五感によって、よりリアルに描かれる。

イメージをする能力にも高低があります。
よりイメージを有効活用するためには、そのイメージを豊かにしていくことが必要です。

例えば、ゴルフをやった経験がないのにゴルフのイメージトレーニングをしてくださいと言われても
なかなか難しいですよね。
しかし、実際にクラブを握り、球を打ち、コースを周る経験していくことで、
よりイメージはしやすくなります。

そのようにして人は、体験することによって、
想像を深めていくことができるのです。
景色や匂い、音、感触、重さ、環境、状態などの詳細な場面が想像できるようになれば、
イメージトレーニングの質はより高まっていきます。
五感を使って様々なことを体感していくことで、
それはイメージにも反映されていきます。
何を感じてきたか、経験してきたかにも想像力は左右されるのです。

何を想像して生きるか

私達の想像すること、考えることに脳は反応しています。
つまり何を想像し、何を思うかによって人間は変わっていく、
変わっていけるということです。

義務教育の中においては、想像力という能力はだいぶ軽視されてしまっていますが、
イメージすることは人の人生に大きく影響を及ぼしていきます。
子供の豊かな想像力は大切にしてあげてください。
そして大人である私達も、ぜひイメージを豊かに持つようにしましょう。