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鎖骨が折れると腕は上がらなくなる〜鎖骨がもたらす多様性〜

鎖骨のある動物・ない動物

小学生の頃の話です。
友人のS君が鎖骨を折りました。
体育の授業を休むということで、私は素朴な疑問から「鎖骨が折れると、そんなに大変なの?」と聞くと、
S君は「鎖骨が折れると、腕が上がらなくなるんだ」と答えてくれました。
「へ〜、鎖骨って腕の動きに関係してるのかぁ」と、鎖骨の構造に対して感心した記憶が、今でも残っています。

さて今回は、鎖骨のお話をしていきます。
さらに人以外の動物の鎖骨についての話、
またそこから見えてくる人の鎖骨が持つ意味を見ていきましょう!

目次

腕は直接、体に繋がっているわけではない。

腕というのは、直接、胴体と関節で繋がっているわけではありません。
腕は肩甲骨、そして鎖骨を介することによって体と繋がっています。
肩甲骨も胴体とは関節で繋がっていませんので、鎖骨は唯一、体と関節で繋がっている骨となります。
鎖骨は胸にある「胸骨」という骨と関節で繋がっています。
この関節を「胸鎖関節」と言います。

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腕は胸鎖関節という関節で唯一、繋がっています。
腕というと、上腕の部分までのような印象がありますが、本当は私達の腕は体の中心まで繋がっていて、長かったのです!

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鎖骨を骨折したS君は、体と腕を繋げる骨が折れてしまったから、動かしにくくなってしまったのですね。

鎖骨は折れやすい。

鎖骨は折れやすい骨です。
表層に位置していることや、脂肪などに囲われていない無防備な状態にあるから、
外部の衝撃をモロに受けてしまうという面もありますが、
わざと折れることによって、胸骨や肋骨を守るクッションの役割を持っているという説もあります。
胸骨や肋骨の中には、心臓や肺といった生命を維持するための大切な臓器が入っていますから
その説にも一理あるもしれません。
鎖骨は筋骨隆々な人であっても、あっさり骨折することがある骨です。

猫や犬に鎖骨はない。

さて、他の動物の鎖骨はどうなっているのでしょうか。
猫や犬には、鎖骨がありません(猫には鎖骨の名残りのようなものが少し残っていますが)。
猫や犬は、前足を地につけて四足で走行するので、鎖骨があると邪魔なのです。
走行時、地面に前足で着地する度に、いちいち骨折してしまっては困ります。
猫や犬以外にも、馬や牛、ゾウ、キリンなど、四足歩行の動物には鎖骨がありません。
四足動物は、前後に足を動かすことに特化していますので、鎖骨が必要のない動物が多いのです。

鎖骨のある動物

鎖骨のある動物はサルやゴリラなどの霊長類です。
また、リス、ウサギ、ネズミといった前足を支えること以外に使うことのある動物にも鎖骨があります。

そして鳥類にも鎖骨が存在します。
鳥類の鎖骨は特殊で、V字型の1本となっていて、胸骨に繋がっていません。
祖先である恐竜の一部にも、その鎖骨が見当たります。
鳥類は、その鎖骨を飛ぶために適応させていった恐竜の現代の姿であると言われています。
まさに生ける伝説ですね。
ちなみに鳥類の骨は空を飛ぶための柔軟なしなりを持っていて、飛行するために特化されています。

人間の鎖骨は、機能の多様性を選んだ。

私達、人間の鎖骨は何かに特化されたものでなく、
三次元的に大きく自由に動かすことができるようになっています。
他の動物とは違い、「色々なことが出来るように進化した」ということです。
そのように進化することを選んだからこそ、
人間はバリエーションに富んだ動きを行うことが出来るのです。
スポーツで言えば、ボールを投げたり、打ったり、パンチをしたり、
水上でもクロール、バタフライ、平泳ぎなどの色々な種類の泳法で泳げたりですとか、
足を使うスポーツでも、走る時に鎖骨を使いますから無関係ではいられません。
もちろん生活の中でも鎖骨の働きは、欠かせないものです。
最初にご紹介したS君のように、鎖骨が動かせないと生活にかなり支障がでてしまいます。
ですから、私達が創り上げた多種多様に広がりを見せる文明社会は、
この鎖骨の進化なくしては、なかったといっても過言ではないでしょう。
鎖骨は奥が深いんですね!

ということで、今回は鎖骨のお話をしていきました!
生物の進化って面白いですよね!